アナトミートレインと腰痛

2026年06月15日

身体の筋肉のつながりと腰痛

前回筋膜の硬さと腰痛の関係についてのブログを書き、

その中でアナトミートレインと言う

アメリカのトーマス・マイヤー氏の理論について触れました。

今日はこのアナトミートレインと腰痛の関連について

考察していこうと思います。

まず前置きとして

アナトミートレインは筋肉が単独で働くのではなく、

筋膜(fascia)を通じて、全身で連結しており

一定の張力等で全身が保たれているという

解剖学の1つの考え方です。

アナトミートレインは筋膜の繋がりを線路のように捉えており、

そのラインが12本あると考えています。

近年、研究も進んでおり、解剖学的な裏付けもされているようです。

またアナトミートレインのラインの走行は

東洋医学のツボの流れ、経絡などにも関連する部分もあります。

アナトミートレインでは同じ筋膜のライン上で

不調や負担が連鎖するという部分が重要となります。

例えば、足の不調が腰の不調と繋がったり

逆に腰の痛みがある故股関節も痛みが出たりと言った具合ですね。

腰痛(ゴール地点)が新宿駅だとすれば

中央線でも小田急線でも京王線でも

経由する場所や線路が違っても最終的に新宿(腰痛)にたどり着く

と考えていただくと分かりやすいかもしれません。

このことから

腰痛が腰そのものが原因の場合もあれば

股関節やお尻、膝や足などが原因となることもあれば腹圧や呼吸、

姿勢などが原因となることもあると言えると思います。

これがアナトミートレインによる腰痛の考え方です。

腰痛に関連するラインについて

腰痛に関連が強いと考えられるラインについてです。

・スーパーフィシャルバックライン

・ディープフロントライン

・ラテラレルライン

当院ではこの3つのラインが腰痛との関連が強いと考えております。

ひとつずつ見ていきます。

スーパーフィシャルバックラインと腰痛の関連性

スーパーフィシャルは「表面的な」とか「表層の」といった意味を持つ言葉です。

バックラインはそのまま後ろのラインを指します。

なのでこのスーパーフィシャルバックライン(以下SBL)とは

身体の後面表層を通る筋膜のラインのことを言います。

SBLは足の底→アキレス腱→腓腹筋→ハムストリングス→

仙結節靭帯→脊柱起立筋→頭頂まで亀の甲羅のように身体の後面を繋いでいる。

役割としては直立姿勢を保つために働き、背骨を真っ直ぐ保つのにも関与する。

足底の硬さやふくらはぎ、ハムストリングスの硬さなどは

脊柱起立筋を緊張させ、筋膜性の腰痛を引き起こすことが考えられる。

また、脊柱起立筋の緊張が高まれば、腰椎や椎間板にかかる垂直圧も増すため

腰椎の器質的疾患の原因にもなりやすいと考えられます。

更にハムストリングスの硬さは骨盤の後傾にも関係するため、

そこからの腰痛も示唆されます。

ディープフロントラインと腰痛の関係

ディープは「深い」という意味の言葉です。

フロントラインは前方のラインですので

ディープフロントライン(以下DFL)は

身体前方で深層にある筋膜のラインのことを言います。

DFLの流れとしては

下腿内側→大腿内側(内転筋群)→骨盤底筋→腸腰筋→横隔膜→頸部深層筋

というのがざっくりとした流れです。

筋肉を見ただけでも何となく腰痛との関連が強そうではないですか?

特にこのラインでは

骨盤底筋や横隔膜といった筋肉が含まれているため

腹圧、呼吸と言った

当院でも重要視している機能の筋肉が含まれます。

これらの機能が低下すると腰痛を引き起こすことは以前のブログで書いたと思います。

また腸腰筋や内転筋といった、

骨盤から足に向かって着く筋肉もあるため骨盤の前傾、

反り腰によって起こる腰痛とも関連します。

ラテラルラインと腰痛の関係性について

ラテラルは「横の」や「側面の」といった意味合いです。

流れとしては

腓骨筋→腸脛靭帯→大腿筋膜張筋→大臀筋→外腹斜筋→肋間筋→胸鎖乳突筋

といったところ。

腰痛との接点でみてみれば

大臀筋の弱化や過緊張は

骨盤や股関節の動きに影響しやすいです。

また臀筋群は骨盤の安定性にも関係するため

骨盤の安定性が失われると腰部への負担が大きくなることからも、

腰痛に関連します。

外腹斜筋や肋間筋は呼吸や体の安定面で見ても重要な筋群なので

この辺りが硬くなり働きが落ちると

呼吸や身体の安定にも影響が出る。

呼吸が浅くなれば、筋膜は硬くなり

腰背部の関与が増える胸式呼吸となるため

やはり腰背部への負担は増加する。

大腿筋膜張筋が固くなると

骨盤に付着する筋肉のため骨盤を前傾させ

反り腰の原因にもなります。

3つの筋膜ラインと腰痛

このようにアナトミートレインという解剖学の理論から

腰痛の原因は腰にあるとは限らないということが見えてくるかと思います。

山梨県甲府市のいのうえ鍼灸整骨院では

腰痛を氷山の一角と考え

氷山の根元の部分には

腰以外の筋膜の硬さや腹圧、呼吸機能の低下、不良姿勢などが潜んでおり

そこも含めて修正をかけていくことが

腰痛のない生活への近道だと考えております。

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